病院広報企画大賞2007に「医療法人ペガサス馬場記念病院」

11月9〜10日で行いましたHISフォーラム2007in福岡は盛況のうちに、無事に終了することができました。

9日に開催した、病院広報企画大賞を決定する「第11回病院広報事例発表会」は、11演題いずれも内容の濃い充実した発表となり、 審査員たちは審査時間ぎりぎりいっぱいまで白熱した討議をしたうえで、各賞を決定いたしました。

各賞は下記の通りです。

 ●病院広報企画大賞
   MOT改革と四画面思考を活用した広報活動
     医療法人社団和楽仁芳珠記念病院 情報管理・企画部 鈴木 慈氏

 ●病院広報企画賞
   広報・営業促進チームの設置
    〜ステークホルダーとの良好なコミュニケーションを実現するために〜
     飯塚病院 広報・営業推進チーム 萱嶋 誠氏

 ●特別賞
   新人広報マン〜広報誌「おかのかお」創刊への軌跡〜
     大分岡病院 広報・マーケティング部 医療連携チーム広報担当 小野崎佳彦氏

なお、賞に入らなかった各施設も、いずれも劣らない内容でした。


BHI賞2007を振り返って(総括)

みなさん、BHI賞2007にご参加ご注目をいただきありがとうございました。

 今年の特徴は、なんといっても応募作品の質の向上が顕著に見受けられたことです 。この傾向は昨年からのものですが、今回はとくに粒ぞろいで優劣つけがたいという印象に何度も出会いました。
 また、いい意味で個性的な作品も多く見受けられました。 グランプリは、馬場記念病院(堺市)の「つばさ」となりましたが、今年も札幌の渓仁会グループの「サラネット」や 福井済生会病院の「ふくい」など毎年のように上位にくる広報誌を抑えての栄でした。

 「つばさ」は、誰が見ても、プロの技術・感覚がふんだんに投入されていることがわかります。 デザイン、写真、読みやすい文章、宣伝上手な企業の広報誌と比べても引けを取らない作品です。 ふり返りますと、第2回の最優秀賞・相澤病院(松本市)の広報誌「あいあい」は、 手描き文字をふんだんに使った手作り感覚によって審査員を引きつけました。  その点で「つばさ」は、「あいあい」とは正反対のコンセプトであり、この5年には医療現場の大きな変化を感じます。

 グランプリをどれにするか最後の最後のところで、ある審査員が「(この作品に)患者の声があったら、もっとよかった」と ポツリと呟いたことが頭からはなれません。 病院からの情報に終始しているのではないかという指摘でした。 とくに白い清潔感や完成されたデザインはいいとして、見方によって冷たく読者を突き放すようなイメージがあり、 その心理的な距離感が、審査員の「患者の声…」という印象につながったのではないか思います。

 プロの仕事は、あらゆる視点に予測した「最大公約的」な表現が持ち味であると思います。 いいかえれば、このスキのない完全さが、敷居が高いという印象をもたらす場合があります。
これをなくすには、やはり現場の医療者がもっと編集や情報を理解しプロとコラボレーションすること。 プロはそれをいかに受け入れ表現に責任をもつか、今後はその闘いをしてきたところが共感を得るのではないか、そんな気がしてなりません。

 いずれにせよ、昨年も申し上げましたが、結果だけを見て、良いとか悪いとか評価する、序列をつけるということは大変難しいことです。 その作品が生まれてくる条件、プロセス、環境などが特定されないと、本当の比較、評価ができないと思うからです。

 しかし、それはそれとして、BHI賞はオリンピックと一緒で、プロもアマも同じ場で競うところに意義があると思います。 その結果、読者から「いい情報」「いい広報」と言われることが大切で、「こうすればいい」という秘訣などないということです。 ある意味、ゲームでありお祭りです。 出来映えという一面だけで競い合い、さまざまなヒントに出会うのがコンクールであり、その背景にある考えや状況を知り、自分の作品の位置を知り、 制作プロセスや仕組みを見直すことです。

 また、その改善のためのプロセスは病院業務のプロセスと無縁ではないはずです。 その意志や工夫は必ず病院運営の改善・改革につながると確信できます。 そのような苦しみから生まれる理念を共有することがBHI賞の意義であることをもう一度強調しておきたいと思います。

 毎年、審査の後に応募施設からメールをいただきます。 今年もある応募施設からこんなメールをいただきました。
「(前略)どのような点が減点の対象になったのか、お教えいただけるとうれしく思います。 (中略)ここをこうすればよかったのに、といった具体的なご指導をいただきたく思います」というものです。 まず、主催者や事務局は、審査や指導をする立場にないということをご理解いただきたいのです。

 それよりもここで言いたいことは、「実地に編集しているご自身がどう評価しているか」ということです。 機能評価もそうですが、自分なりにいいのか悪いのかを自覚して制作していないと説得力がありません 。自転車にはじめて乗れたときと同じです。 いくらハンドルの握り方とか、ペダルの踏み方、力加減という知識をバラバラに知ったところで意味がないように、 出来上がった作品について作り手が自ら感じて向上するという姿勢と感覚がなければ、人が共感してくれる誌面は いつまで経ってもつくることはできない、そのことことに気づいていただきたいと思います。

 その眼力を養うには、「いいもの」に接すること、その努力を怠らないことにつきます。 いい映画を観、いい雑誌を読み、いい家具に接し、そして、いい病院を見てください。いずれも日々の葛藤から生まれた独自の主張があるものです。 このことを申し上げてBHI賞2007の総括とさせていただきます。
来年は、ぜひ広報誌が医療の質や病院経営に貢献した事例を持ち寄り大阪・堺市でお会いしましょう。
                        NPO法人日本HIS研究センター代表理事 石田章一



受賞作品一覧
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