病院広報専門指導員 認定講座

◎現在申込可能なSD講座はありません。開講が決まり次第ご案内します。


◎過去の講座
「第4期 病院広報専門指導員 認定講座」
2017年10月27・28日 1泊2日研修(京都泊)
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病院広報専門指導員(SD)に期待するもの

SDとは、医療とコミュニケーションについて深い知識や経験を持って、組織や集団の利益の問題を考える人です。

「利益?それならみんな考えているよ」ということになれば、それはそれで結構なことです。しかし、その多くは仕事を通して得た経済的利益でしょう。さまざまなプラスを生みだすためにみんな頑張っているのですが、金銭だけでなく、相手に喜ばれたり元気づけたり、というプラスを与えるケースも多々あるように思うのです。

広報の基本は、「情報を伝える」ことには違いありません。深くそして広く、社会や組織に情報を伝えるチカラが広報の本質です。しかし難しいのは、対象となる人や組織は一定ではない、根底にある考え方はもちろん、それぞれの情報を受け取る能力、環境などに違いがあるということです。経験的に知っている知識もあるし、学問的に学んだ上での理解もあります。また、身を置く社会や人間関係による価値観の違いもあります。

つまり、あることを伝えようとすれば、伝える相手のことをよく知っていることやその相手の受け皿となる理解力に配慮することが重要になります。

また、よりよいコミュニケーションでは、言葉によるだけでなく、目に見えるモノや事象にまつわる情報を活用することも必要です。相手に対して印象を強調し表現することはもちろん、発信者の行動に現れる僅かな変化・動態から、そこに現れる意味や概念を読み取っていくという非言語のコミュニケーションです。このような高度な戦略マネジメントを理解し精通していくことも、質の高い交流を実現する必要条件となります。これらのレベルアップには、知識の積み上げよりも、身を置く場と時による直感的思考を活用することが欠かせないでしょう。

組織は人です。これらの広報を生み出し、元気に行動するのはそのまま「人」であり、その人の繋がりと関わり合いの健康度です。決してサイトや広報誌が広報をしてくれるわけではありません。みんなが価値観を共有して、言語・非言語のコミュニケーションを駆使して社会にその必要度を伝えることです。もちろん得心のいくことを発信しなければ、聞いてもらえません。その話の核心は、医療の場合なら専門職が“売れる製品・サービス“にすることが必要です。おもてなしは最小でポイントを押さえるだけでいいのです。何が売り物か、そのシンプルな共有が、わかりやすい社会貢献になるのです。



広報専門指導員=SDに期待するものとは、病院にこのような流れある道筋をつくることです。広報の実務者の相談にのりながら、今、病院にとって必要なモノ・コトについて、経営層と実務者の間の適度な距離にいて提言をしていくことです。実務者に欠員ができれば、その穴埋めにもなってみる。トップに代わって実務者に戦略を伝えるということも必要でしょうが、マスコミとの対話などは、むしろSDが代行することでしょう。また、広報担当者を孤立させないこと。思うように活躍させることですが、組織とのバランスや適度な配慮を担当に任せることは放置する結果となります。

こうしたことから経営層〜担当者〜(SD)という関係値を構想することで、経営の戦略的なことは経営層〜(SD)により固めて降ろす。また広報の未経験など不確かな案件は、担当者〜(SD)により固めて上げる。このため(SD)は常時現場にいる必要がなく、むしろ無責任の立地からあるべき姿を探求すればどうかと考えるものです。顧問やコンサルティングのスタンスがいいかもしれません。ただ組織づくりは、その現場の戦略と現状の地図の上の客観性が優先されるべきであり、ケースを中心に考えるべきであるが、それにしても誰かが現実に即した判断をすることが必要。その現実の一つにSDという希望の共有剤を用意するもの一案ではないだろうか。

地域包括の医療が育っていくと、人と人、機能と機能がうまく連携ができる必要があります。互いの特徴や強みを組み合わせるには、互いを伝える交流が欠かせないし、広報による説明・説得力がその成果に必要になるのです。従来の医療現場は「外」に興味が行きにくい状況がありましたが、これからは「外」にこそその価値が眠っていると考えることが欠かせないのではないでしょうか。このような理由からも、SDによる「広角の視野」が欠かせないと考えます。

長年にわたり病院や診療所の地域コミュニケーション活動の戦略化に関わってきた様々な経験値が活かせるものと思います。SD養成についても保存している情報量にも、かなりのものがあります。ぜひご活用ください。



NPO法人日本HIS研究センター
代表理事 石田 章一